仕事がどんなに忙しかろうが、家が2LDKで手狭だろうが、男の子2人の育児は「効率」や「ロジック」では1ミリも解決しません。解決するのは、泥臭いまでの「現場介入」と、笑ってしまうほどの「開き直り」だけです。
私は都内のIT企業で営業をしています。毎日10時間以上働き、数字と格闘する日々です。世間ではリモートワークが普及し、私もその恩恵に預かっている一人ではありますが、現実は甘くありません。家でPCを叩いていれば、背後から「パパ、ピタゴラスイッチ作って!」と長男の叫び声が響き、足元では次男が私の靴下を脱がそうと必死になっています。
そんなカオスな日常の中で、私が何を学び、どうやって妻のジンと協力し(時には激しいバトルを繰り広げ)、4歳と0歳の男の子たちと向き合っているのか。これからこのブログを通じて、包み隠さずお伝えしていこうと思います。これは、忙しいパパたちへのエールであり、男の子育児に翻弄されるママたちへの共感の記録です。
2LDK、家族4人。都内の「密集地帯」で暮らす我が家の住人たち
まずは、我が家のカオスを作り出す愉快なメンバーを紹介させてください。
私、ユキは1980年生まれの40代。体型は少々わがままな、いわゆる「ぽっちゃり」です。性格は短気な自覚がありますが、基本的には明るく振る舞いたいタイプ。ただ、営業職のくせに私生活ではお喋りが苦手で、友達も片手で数えるほどしかいません。仕事は激務ですが、平日の夜、子供たちをお風呂に入れることだけは死守しています。それが私にとっての「戦場からの帰還」であり、唯一の癒やしだからです。
そして、我が家の司令塔である妻のジン。彼女は中国南部出身で、2019年に私との結婚を機に来日しました。簿記2級を持ち、現在は税理士を目指して勉強中の努力家です。日本語はかなり流暢ですが、なぜか「東北弁」のような素朴な訛りがあり、それが彼女のキャラクターを際立たせています。性格はとても細かく、一度喧嘩をすると根に持つタイプですが、近所の中国人の友人・周さんと情報交換をしたり、日本人のママ友と出かけたりと、社交性は抜群です。彼女がいなければ、我が家は1日で崩壊するでしょう。
そんな私たち夫婦のもとに授かったのが、二人の息子たちです。
長男のスグは、2021年生まれ。一言で言えば「ひょうきんなワガママ王子」です。ピタゴラスイッチが大好きで、家中にあるおもちゃや日用品を使って、複雑な(そしてよく壊れる)装置を組み立てるのが日課です。ママの訛りが移ってしまい、たまに何を言っているか解読不能なことがありますが、それもまた愛嬌。数字に強く、4歳になった今でもオムツが外れる気配はありませんが、寝付きだけは天才的です。布団に入って5分で夢の中。次男が隣で怪獣のように泣いていても、ピクリともせず朝まで爆睡します。この「睡眠力」だけは、本当に親孝行だと言わざるを得ません。
そして次男のブー。2024年生まれ。長男のスグが「ブー、ブー」と呼んでいたことからこのニックネームがつきました。最近は「エベ」と発信することが多く、スグからは「エベさん」と呼ばれています。このブー、とにかく食欲がすさまじい。離乳食が始まって以来、食べ物が目の前にある限り止まりません。さらに、スグとは対照的に寝付きが悪く、睡眠も浅い。ママが大好きすぎて、少しでも姿が見えなくなるとこの世の終わりかのような大声で泣き叫びます。
IT営業パパが直面した「育児という名の無理ゲー」
IT業界に身を置いていると、何事も「最適化」したくなるものです。しかし、育児、特に男の子2人の育児において、最適化などという言葉は無力です。
例えば、平日の私のスケジュール。リモートワークをこなしながら、合間に家事の手伝い。夜は10時間労働を終えた後に子供をお風呂に入れ、寝かしつけのサポート。さらに、生活費や将来の教育費のために、夜中にウーバーイーツの副業に出ることもあります。正直に言いましょう。体力は限界です。
しかし、なぜそこまでやるのか。それは、妻のジンが一人でこの「怪獣2人」を相手にするのが、いかに過酷かを知っているからです。
長男のスグは、自分の思い通りにいかないと家中をひっくり返します。次男のブーは、ママにべったりで片時も離れません。ジンが税理士の勉強をしたくても、ブーが泣き出し、スグがピタゴラスイッチの解説を求めてくる。そんな状況で彼女がどれだけストレスを溜めているか。喧嘩をすれば長引く彼女の性格を知っているからこそ、私は「現場」に出るのです。
ある日、スグが作った装置が壊れて大泣きし、それに釣られてブーが空腹で泣き叫び、ジンが夕食の準備をしながらパニックになっていたことがありました。私は会議中でしたが、ミュートにして駆け寄り、とりあえずスグを抱きしめ、ブーにバナナを握らせました。その時のジンの、少しだけ安堵したような、でもまだ怒っているような複雑な表情。あの瞬間、私は「仕事の成果よりも、今このカオスを鎮めることの方が価値がある」と確信したのです。
「ママっ子」次男と「宇宙人」長男の間で
男の子2人の育児は、毎日が異種格闘技戦です。
スグは、自分の世界を持っています。数字が好きで、カレンダーや時計を眺めては独自の理論を展開します。根は優しい子で、ブーが泣いていると「よしよし」をしに行くこともありますが、大抵は自分のピタゴラスイッチをブーに破壊されてブチギレる、という結末を迎えます。
一方のブーは、まさに本能の塊。食べるか、泣くか、ママを追うか。私のことは「たまに遊んでくれる動く物体」くらいに思っているのかもしれませんが、お風呂に入れる時だけは、私を信頼して身を委ねてくれます。あの小さな、ずっしりとした重みを感じる時、私は「ああ、俺はこの子たちのために、夜中のウーバーイーツも頑張れるんだな」と、ぽっちゃりしたお腹をさすりながら思うわけです。
ジンはよく、東北弁風の訛りで「ユキさん、またスグが言うこと聞かないんだよー」と愚痴をこぼします。彼女は中国人としてのアイデンティティを持ちつつも、日本のコミュニティにしっかり溶け込んでいます。近所の周さん(彼女もまた強烈なキャラクターです)に子供を預けて息抜きをすることもありますが、基本的には真面目で几帳面。だからこそ、散らかり放題の2LDKの部屋を見て、ため息をつくことも多い。
私はそんな彼女に、気の利いたことは言えません。喋るのが苦手ですから。でも、黙ってお風呂を洗い、スグのオムツを替え、ブーをあやす。それが、言葉よりも伝わるコミュニケーションだと信じています。
なぜ、私はこのブログを書くのか
冒頭で、「男の子育児は効率では解決しない」と書きました。
IT系の仕事をしていれば、便利なガジェットやアプリで生活を豊かにできると考えがちです。もちろん、それらは助けになります。しかし、最終的に子供の心を満たし、家庭の平穏を守るのは、親の「時間」と「覚悟」です。
私がこのブログを始めたのは、同じように仕事と育児の板挟みで悩むパパたち、そして、男の子たちのパワーに圧倒されて疲れ果てているママたちに、「大丈夫、うちもこんなにひどいですよ」と伝えたかったからです。
- 4歳になってもオムツが外れない。
- 2LDKがピタゴラスイッチの資材で埋まる。
- 妻の訛りの日本語で説教される。
これが、都内で暮らす、平凡でちょっとぽっちゃりしたIT営業マンのリアルです。キラキラした育児アカウントのような洗練された情報はありません。でも、ここにあるのは、泥にまみれた本物の体験談です。
結局のところ、育児の結論とは、理論武装することではなく、その時々のカオスをいかに「面白がるか」に尽きるのだと思います。スグのわけのわからない訛り交じりのお喋りを笑い、ブーの底なしの食欲に驚き、ジンの小言を右から左へ受け流しながら、家族全員で狭い2LDKで眠る。それが、今の私にとっての幸せの形です。